〜店主の雑感〜
商店街の再生に向けて(2008/02/15)
白崎 茂喜
各地で、商店街の活性化が叫ばれていますが、どこも上手くいっていないのが現実です。当市でも、十数年前から何度も、中心市街地活性化について検討する機関が開設され、その都度多大な労力と費用をかけて答申を重ねてきましたが、未だに思うような成果が上がっていません。先ごろの新聞によりますと今回も答申が出されたとか、まだ内容を読んでないので何とも言えませんが、今までの過程を見ていると上手くいくか心配です。では、永年にわたって検討されながら、成果のあがらない原因は何処にあるのでしょう。その主な原因は‥‥
※ 全てにおいてトップダウン的傾向が強く、個々の商店主にまで主旨が伝わらない。
※ 事務方のみならず、店舗の誘致や経営指導、イベントの企画等を任される専任の、タウンマネージャーが存在しない。従って、(慣れた頃に)転任があり業務に精通しにくい行政の担当者や、自分の事で目一杯の商店街のリーダーに頼らざるを得なく、単発で且つスタッフに負担の軽い事業しか出来ない傾向になりがちである。(例えば商店街に不足している店舗の出店を講じると言うようなディベロッパー的な業務は、片手間には出来ない)
※ 商店街及び連合会としての組織はあるものの、おかみさん会を除くと殆ど会合も開かれておらず、個々の商店主にとっては情報の発信及び受信の機会が無い。
※ 従来商店街の代表で組織されて来た連合会の組織の中に独立した存在として、事業委員会と言う組織が出来たとのことだが、連合会としては事業をこの委員会に丸投げする事で負担が軽くなるものの、このメンバーは、(各商店街から選ばれて上がってきたのではなく、委員長の指名によるものである為)出身母体の組合とリンクしておらず、二重構造になっている。
※ 商店街連合会と会議所の商業部会も同様に二重構造である。会議所の商業部会に至っては、部会長の選出に関しても、例年2〜3名の会員の出席のみ(大半は委任状)で、事務局による人選を追認しているのが現状であり、全くと言って良いほど活動の実態が無い。
※ この他にも、街づくりを標榜する組織が幾つもあり、それぞれが企画するメニューが多すぎて焦点がはっきりしない( “いわゆる船頭多くして、船、山に登る”状態)。
等々思いつくままに列記しましたが、いずれにしても、今最も必要とされるのは、個々の商店主の自助努力と団結力ではないでしょうか。いくらトップが旗を振っても末端の商店主達が無関心ではどうにもなりません。新聞等に“鯖江の商店主の中にはイベントに対する温度差がある”とかかれていましたが、温度差は出るべくして出ていると思います。トップだけで決めてその経緯を個々の商店主達に知らせず、いきなり協力しろと言っても無理な話です。
一方、お世話している人たちにしてみれば、自分達は一生懸命やっているのに商店街の人達は何で協力してくれないんだと言う思いがあるのも当然でしょう。しかし、せっかく商店街の為に働いてくれているわけですから、その労が報われるよう、原点に返って、その手法を見直してみる必要があるのではないでしょうか。
又、市や会議所のトップは、イベントで観光客を誘致したのだから後は個店の自助努力で商売に取り込めと言います。しかし、観光に来た人が、土産物程度ならいざ知らず、知らない店で物を買って帰るでしょうか。ショッピングモールや都会のファッションビルを除けば恐らくそんなことは無い筈です。それより、地元のお客様に満足して頂けるよう、店舗の充実や各店の商品・サービスの向上、定休日やポイント等の統一化を図るほうが第一で、観光客等の誘致はその次の策ではないでしょうか、又、歩行者天国等の交通規制によって通常のお買い物客が不便をこうむっていると言う意見もあります。もしそうなら、イベントのあり方についても検討すべきではないかと思います。
先日の新聞に、めがね等鯖江の特産品のメーカー直売ショップが無かったので、補助金を出して出店を奨励すると言う記事が載っていましたが、それならば是非商店街の空き店舗に出店して頂きたいと思います。軒下工房と言う発想もありますが、経費が少なくて済むものの郊外に散在する店舗では集客力に欠けます。やはり、中心市街地の利点を生かして商店街に軒を連ねて出店してもらった方がお互いの為になるのではないでしょうか。
他人事みたいに批判ばかりしてといわれるといけないので、以下に具体的な提言をしたいと思います。
〜提言〜
《商店街・会議所》に向けて
※ 末端に至るまで連合会の活性化を図り、個々の店舗が団結して全店で商店街の活性化に取り組む意気込みを市民にもアピールする(おかみさん会の方が、会合も頻繁にあり組織として機能している)。
※ 中心市街地の再生は商店主だけの問題ではなく、区長会・青壮年会・婦人会等、商店街以外の組織や個人の知恵と力を借りて市民全体で取り組まなければならない。その際も前述したように、一番の当事者たる商店主達が、先ず熱意を見せなければ市民の共感を得る事は出来ない。
※ 個々の商店主に対する経営指導や、再生に向けての意識の高揚を図るべく、研修会等を継続して開催する。
※ イベントのあり方を見直すとともに、商店街の一本化を図る。具体的には助成金を活用して、SWIT等販売促進活動を主旨とした組織への全戸加盟を促進する。
《行政・会議所》に向けて
※ 評論家は要らないが、早急に実務に長けたタウンマネージャーをおく必要がある。
※ 新たに出店する人に対する補助政策は勿論、固定資産税・都市計画税の減免や改装資金の助成等、既存の商店に対する支援も考える。
※ 商店街に必要なのは、観光客の誘致や一過性のイベントよりも、欠けている業種を補う常設の店舗の充実であり、個々の店がその販売力・商品・サービス等により魅力を高める事に尽きる。
※ 空き店舗を貸し店舗として活用するには、店舗内にトイレ・流し台等の設備を敷設する必要がありそのための助成制度を作る。
※ 店舗の充実と平行して、中心市街地への定住を更に促進する。
理事長を退いた私が差し出がましい事を述べるのも、鯖江に生まれ育った者として、鯖江の中心市街地を何とかしたい気持ちから出たことです。商店街の理事長・会長さん達は大変ご苦労な事とは存じますが、上記の点に留意され、商店街一丸となってこの難局を乗りきって頂きたいと思います。どうか諦めないで、皆で頑張りましょう。
トップ > 店主の雑感(タイトル一覧) > 商店街の再生に向けて