〜店主の雑感〜
商店街とつつじ祭(2007/05/03)
白崎 茂喜
今年のつつじ祭は好天に恵まれて、朝から大勢の人出です。街中には初夏の花が所狭しと咲き誇り、街路樹からは鳥の声も聞えてきます。しかし、《にぎわい横町》と称して各商店街にテントの出店を並べたものの、賑わっているのはその一角だけで、商店街の個々の店で鳴いているのは閑古鳥。どうやら二日間にも及ぶ祭の車両通行規制が、観光客には喜ばれても本来の買い物客には敬遠されたようです。買い物に行きたくても、車が入れないので諦めたと言うお客様の声も聞かれました。
祭に来た人達の買い物行動を観察していると、物販でもごく廉価な商品を扱っている店は何とか頑張っていますが、お客様のお目当ては殆どと言って良いほど食べ物屋です。それも路上で売っている店にしか、お客は入っていないようで、商店街の店はどこも開店休業の有様です。もっとも、自分の店で何とかして売ろうと思っても、イベントの手伝いに手を取られて、それどころではないのですが‥‥。来年もこんな傾向が続くのなら、祭の間は、いっそ店に鍵をかけて路上で何か売ったほうが良いのかも知れません。
ところで、お金の事を言うと卑しくなるかもしれませんが、会議所や市のスタッフは、当然業務の一環として働いている上、アルバイトも雇っているのに対し、商店街からの手伝いは何時もボランティアです。我々は自営で比較的自由になるとは言え(皮肉な事に祭の期間中、店が閑だから出来るのですが)、皆仕事を休んで祭に協力しているのです。それぞれの店先やテント市等で販売するのは自分の為、或いは団体等の事業の一環であるからして、ボランティアでも当然です。しかし、会議所や市の職員に混じって祭のスタッフとして働く以上、彼らだけがボランティアでは不公平ではないでしょうか。又、先のイオン騒動で『鯖江には中心市街地がない』とか、『やる気のない商店街などに頼らず、イオンに鯖江市の未来を賭けるべきだ』などと言う心無い意見が会議所の他部会の議員からも出されていましたが、彼らはそこまで言われていても、商店街の為になればとの思いで文句も言わず、祭に協力しているのです。この気持ちを分かって欲しいと思います。各地の神社の祭のように地域の人達の手で運営されていて、祭にたずさわるもの全てがボランティアであるのならいざ知らず、つつじ祭のような半公営の祭においては、商店街の人達の善意に頼らず、もっとアルバイトを活用するか、それでも商店街からのスタッフが必要なら彼等にも応分の謝礼を払う配慮が、主催者には欲しいものです。
商店街の多くの店は、せっかく遠方から観光にこられるお客様や何時も御愛顧いただいている地元のお客様に喜んで帰って頂きたいとの思いで、祭に協力しているのですが、その本音を聞くとかなりの人達から不平不満が出てきます。その最も大きな原因は、イベント自体は人出があって賑わっても、本業である自店の売上に結びつかないからです。これでは真の意味での商店街の活性化に繋がりません。このまま続けていれば、祭は賑やかになったものの個々の店の活力は落ちるばかりと言う結果にもなりかねません。その一方で、恐らくアルプラザ等郊外のショッピングセンターには、観光客や中心市街地の交通規制を避けた買い物客が流れ込んで売上が増加していると思われます。これでは、何の為にイベントをやっているのか分りません。つつじ祭自体は、商店街の為だけにやっているのではないと言われれば仕方ありませんが、商店街のイベントに関しては、おおいに再考を促したいと思います。売上の事ばかり言うと心が狭いと思われるかもしれませんが、売上につながってこそ商売です。今のように西山公園と同じような企画内容では、どうしても車を規制して歩行者天国にと言う流れになってしまいがちです。しかし、消極的と言われるかも知れませんが、例えば以前やっていた《花ロードコンテスト》等を復活して、商店街や個店を花で飾り付け、きれいになった街中をゆっくり歩いて頂くのも立派なおもてなしではないでしょうか。来年こそは、一時的な効果でなく商店街の活性化に役立ち、商店街も喜んで協力する気になれるような祭りのあり方を、官民あげて“本音”で考えていかなければならないのではないかと思います。
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