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〜店主の雑感〜

街づくりとイオン出店について その3(2007/02/08)
商業商店街の課題について

白崎 茂喜

 新聞やテレビの報道によると、鯖江市民はイオン出店を歓迎する風潮だそうです。しかし、この問題について新聞社やテレビ局が市民のアンケートを取ったと言う話は聞いていません。マスコミは一体何の根拠があって、市民は歓迎しているなどと断定するような記事を書くのでしょう。

 詳しい情報を与えられていない消費者に、「イオンが都市型の巨大ショッピングモールを計画しているそうですが、どう思いますか?」などと聞けば、恐らくたいていの人、特に若い人は「それは良いですね。地元の商店街はシャッター通りだし、福井の街やショッピングセンターにしても同じような店ばかりでつまらないし。地方で手に入らないようなブランドショップなんかも来るのなら大歓迎ですよ。」と答えるでしょう。年配の方にしても「私等は行こうとは思わんけど、鯖江に大勢の買い物客がくれば、ちょっとは街の中も賑やかになって良いんでないの。」という答えが返ってくるのが予想できます。しかし、環境問題や、街づくりに関心のある人からは、例え消費者であっても、イオンの出店に反対の声が聞かれます。又、出店歓迎の意見を言っていた人の中にも、その規模や既に出店している都市での現状を知るにつけ、手放しで喜んではいられない事に気づいてくれる人も出て来ました。しかし会頭による諮問委員会の答申が出たにも拘らず、当の商工会議所会報にさえも、その答申の内容が掲載されません。相変わらず一般市民には『イオンによる出店の計画が進められている』と言う、マスコミ等からの断片的な報道しか与えられていないのです。

 私は、現段階で少ない情報しか知らされていない市民が、『鯖江市民にはイオン出店を歓迎するムードが高まっている』などと言う断定的な報道によって「よう分らんけど、皆が賛成なら良いんでないの」とか、「反対やけど、市民がみな賛成なら仕方ないの」など、世論を誘導される事を懸念します。記者の皆さんには、くれぐれも市民の意見をミスリードしないような記事をお願いしたいものです。

 一方、このような予断のある記事が出てくるのは、ひとえに商店街の責任でもあります。イオンの出店に反対なら反対と、もっと積極的に主張すべきではないでしょうか。商店街の人達までマスコミの報道等に惑わされて「市民の多数が賛成なら、今更反対してもしょうがない。」と諦めているのでしょうか?それとも、出店に賛成なのでしょうか? 現状では各商店街の会長さんや理事長さんの、それも一部の人だけが孤軍奮闘しているようにしか思えません。商売人は、弱い立場で中々自分達の意見を明確に出来ないと言われていますが、自分達の商店街を守る為、又、市民の生活を守る為でも有ります。多少なりとも今まで自分がお客様の為になる商売、お客様から喜ばれる商売をして来たと言う自負がある人は、イオン出店に反対なら堂々とその気持ちを表明すべきです。人任せにせず、皆で反対の声を上げリーダーの人達を支えなければならないと思います。

 又、反対の声を上げると同時に、商店街も街づくりに関してもっともっと積極的に提言すべきです。行政に対して活性化への支援を求めるだけでなく、自らの知恵と努力で活性化への行動を起こさなければなりません。元気がないと言われる商店街ですが、中には頑張っているお店もまだまだ沢山あります。しかし、消費者からは、「個々に良い店はあるけれど、それぞれ勝手に商売していて、定休日もバラバラだし、ポイントカードなどのサービスもバラバラ、もっと商店街としての団結を市民に示さなければならない。」と言う声が聞かれます。この外圧をきっかけにして、個々の店がより商売の原点に立ち返り、それぞれの商品やサービスが、お客様の為になっているかを反省してみる事も必要です。そして、団結・統一できるところは早急に統一すべきです。

 手前味噌ですが、私の店では20数年前からパソコンでお客様のポイント管理をしてきました。その後、SWITと言うポイント事業を目的とした組合が出来たので現金お支払いのお客様にはこちらのポイントもお付けしています。当店のポイントだけなら店の経費は少なくて済むのですが、当店のポイントだけでは中々たまらないお客様もあり、その人達には多数の店が参加しているSWITのポイントも出す方が、よりサービスになると考えたからです。自店のポイントにこだわる店の多くは、経費の事ばかり言いますが、個々の店では一年間に数千円しか買い物しないお客様でも、鯖江の商店街全体では何十万、何百万円ものお買い物をされている人も大勢いらっしゃると思います。どうせポイントのサービスをするなら、カードばかり増えて中々ポイントが貯まらず無駄になってしまう自店ポイントより、いろんな店で統一して貰えて無駄なく貯まるSWITのような街ぐるみのポイントを出すべきではないでしょうか。その経営者がお客様の事より「自店のポイントだと歩率も低くて済むし、お客様がカードを無くしたり、貯まらなくて諦めたら交換しなくて済むから得だ。」などと自店の経費のことばかり考えるのなら別ですが・・・。

 個々の店で独自の品揃え・味・サービス・価格等を充実させるのは、商売として当たり前の事です。加えて、数ある店の中から当店を選んでいただいたお客様に、感謝の気持ちを込めたサービスを街ぐるみでするべきだと思います。それには統一したポイントサービスが一番ではないでしょうか。

 イオン反対の運動は、広く市民と連携し、市民の支持が得られなければなりません。先ず商店街がこのような形でお客様の利便性を考え行動に移す事が、お客様の支持に繋がる第一歩だと思います。

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